その男の人の視線が俺へと向いた。
「君が、樹詩くんだね?」
「は、はい……」
声が震える。この人が現在の日本の最先端を走る薬剤会社のトップ、すごい相手が目の前にいるというのに実感がわかない。
「迷惑をかけてごめんね、承諾してくれてありがとう。」
「いえ、こちらこそ……」
言葉は続かなかったけれど優しく微笑んでくれた。その優しい瞳の光を知っている。俺が前世の頃騎士として仕えていた王も、優しい光を宿していた。
「娘を紹介するよ。陽芽、挨拶を。」
「はい、お父様。
初めまして。氷室陽芽です。よろしくお願いします。」
そう言って優雅に頭を下げる。滑らかに滑り落ちた茶色の綺麗な髪が再び肩に戻る頃、俺は目の前の女の人の顔を見る。
その顔は、
「……ヒメ、さん、、、?」
前世、俺が慕っていた姫、ハルガ・ブライアースとそっくりの顔をしていた。
胸の内が燃えるように痛い。暑い。息ができなくてクラクラする。俺はこの感覚を知っている。懐かしい。恋しい。愛しい。
ああ、どうやら俺は今世でも姫さんに恋をしてしまったみたいだった。
ツー、と涙が頬を伝った。
「君が、樹詩くんだね?」
「は、はい……」
声が震える。この人が現在の日本の最先端を走る薬剤会社のトップ、すごい相手が目の前にいるというのに実感がわかない。
「迷惑をかけてごめんね、承諾してくれてありがとう。」
「いえ、こちらこそ……」
言葉は続かなかったけれど優しく微笑んでくれた。その優しい瞳の光を知っている。俺が前世の頃騎士として仕えていた王も、優しい光を宿していた。
「娘を紹介するよ。陽芽、挨拶を。」
「はい、お父様。
初めまして。氷室陽芽です。よろしくお願いします。」
そう言って優雅に頭を下げる。滑らかに滑り落ちた茶色の綺麗な髪が再び肩に戻る頃、俺は目の前の女の人の顔を見る。
その顔は、
「……ヒメ、さん、、、?」
前世、俺が慕っていた姫、ハルガ・ブライアースとそっくりの顔をしていた。
胸の内が燃えるように痛い。暑い。息ができなくてクラクラする。俺はこの感覚を知っている。懐かしい。恋しい。愛しい。
ああ、どうやら俺は今世でも姫さんに恋をしてしまったみたいだった。
ツー、と涙が頬を伝った。