「あのね、陽芽ちゃん。私たちのお店は樹詩が婿に出されたら弟が継いでくれる予定になってるの。だから結婚するとしても何も心配は要らないわ。
でもね、樹詩と結婚したくなかったら別に破棄してもらっても構わないわ。陽芽ちゃんだって今高校生なのだから、好きな人くらいいるでしょう……?それに、樹詩にも結婚を強要する感じになっちゃうから…。
別に問題がなかったら私は口出ししないけれど……、変に気負わなくて大丈夫よ。」
『ご心配、ありがとうございます。大丈夫です。』
にこり、と笑う。
内心で、反吐が出る。
簡単な言い方しかできない自分に。お父様の身勝手さに。
好きな人、と言われて思い浮かんだ人がいないわけではなかった。だけど、ほら。その人とはきっと叶わないから。
…………百鬼 紫苑|《なきり しおん》
本人はふわふわしているというのに、家柄はここら辺をまとめている大きな極道だとか。噂で聞いた話だからなんとも判断は出来ないけれど。
でもね、樹詩と結婚したくなかったら別に破棄してもらっても構わないわ。陽芽ちゃんだって今高校生なのだから、好きな人くらいいるでしょう……?それに、樹詩にも結婚を強要する感じになっちゃうから…。
別に問題がなかったら私は口出ししないけれど……、変に気負わなくて大丈夫よ。」
『ご心配、ありがとうございます。大丈夫です。』
にこり、と笑う。
内心で、反吐が出る。
簡単な言い方しかできない自分に。お父様の身勝手さに。
好きな人、と言われて思い浮かんだ人がいないわけではなかった。だけど、ほら。その人とはきっと叶わないから。
…………百鬼 紫苑|《なきり しおん》
本人はふわふわしているというのに、家柄はここら辺をまとめている大きな極道だとか。噂で聞いた話だからなんとも判断は出来ないけれど。