Side.H





*..*




だ、誰か助けて!?お父さんと樹詩、いつ帰ってくるの?全然帰ってこないじゃん!!ねぇ!!


内心そんな苦情を含みつつ、樹詩の両親と一緒にお茶をする。

どうやら樹詩の弟は祖父母の家に預けてきたらしい。


ちなみに樹詩の家族は小さなご飯屋さんをやっているらしく、小さい頃には何故か必要以上に包丁を怖がっていたけれどそれもなくなったと言う話を聞いた。


ふむ。料理屋さんだからこそ克服できた話ね。


『樹詩くんは料理出来るのですか?』

「ええ。一通りは教えてあるから出来るはずだわ。」

そう言って暖かに微笑んで息子を思う眼差しは、正しく母という感じがする。まぁ、私のお母さんは私が小さい頃に死んじゃったから分からないけれどね。



最初はどうなるかと思ったけど、意外と話は弾んでいるなという印象。2人とも優しそうで嬉しいけど、結婚をもし私と樹詩がしたら……この人は私の義両親となる訳よね。


ふむむ、と考えているところで樹詩のお母さんが口を開いた。