語尾が窄みがちになってしまうが事実だろう?だって、全国優勝をしているとは言っても本業の人には適わない。


確かに武道はやっていた。前世の記憶が戻って、無力だった自分を悔いたしずっと鍛錬とかやっていたから。

だから何かをやらないと落ち着かなかった。体を動かしたかった。

まぁ、その結果が合気道、剣道、空手などの武道を一通り出来るようになったわけなのだ。

桜我さんは、眉を下げて笑った。その表情はなんだか困ったように見えて慌てて弁解する。

『別に、結婚が嫌だと言う訳では無いんです。ただ、もしも俺が強いからって言う理由だという話が…疑うわけじゃないですけど、本当だとしたら……って思いまして……。』


全然嫌なんかじゃないんだ。だってヒメさんと会えたし。

まぁ、「戦争が終わったら結婚しよう。必ず功績を上げてくるから。」と言うヒメさんとの約束はなくなってしまったのだけど。

そんな俺の言葉に桜我さんは優しく目を細めて、低い声を響かせる。


「樹詩くん。」

『はい……、』

「僕の目は何色に見える?」


この人はいきなり何を言っているんだ?さっきまでのちょっとだけシリアスな場面は?ねぇ、どうした?いきなり瞳の色?見た側の今の心理状態によって色が変わる瞳でも持ってるの?え?ねぇ??


混乱が文字となって頭の中を通過していく。