もう聞きなれた鐘の音が鳴った。勿論飛んで行った。

そこは病室だった。

私の写真や千羽鶴がまだあった。なかなか取りに来れなかったのだとすみませんと彼が看護婦さんに言うと看護婦さんは涙ながらに私との話をした。
どんどん片付いていく写真と私の私物。思い出の品。
その時ふと思い出した。
そういえば私のネックレスはどこだろう。彼に貰ったネックレス。治療のせいで金属類はダメだったから病室にかけてあったはずだ。
「そういえば、ネックレスはどうしたのですか?」
看護婦さんが彼に聞いた。
「…一緒に燃やしました。」
金属だから残ったようだが気持ちだけでもと思い一緒に棺桶に入れてくれたらしい。
「もう。彼女のことはふっ切れたのですか?」
「正直…まだです。でもこれから前に進めるように頑張ります」
衝撃だった。