「さぁ。そろそろ帰りましょう。」
嫌!帰らない!彼のそばにいる!
「貴女は彼を苦しめたいのですか?」
は?なんで?私がなんで彼を苦しめることになるの?!
「感情的にならないで。落ち着いてください。彼は何も見えないし聞こえませんが雰囲気は感じられます。つまり貴女が居座ればずっと彼はあなたがいる気がして前に進めないのです」
でも…
「シッ…あなたはもう居ない。諦めて彼の背中を押してあげましょう。新しい生活の第1歩を踏み込ませるのです。」
…嫌。

それから私は彼が私を思い出し悲しむ度に彼の部屋に、思い出の遊園地に、水族館に、映画館に行き彼を見守った。