「この部屋、あの子の残骸ばっかじゃん」


言われてみて見渡すと確かにやたらと転がってる。


彼女が着てた部屋着


彼女が使ってた食器


彼女専用のものがたくさん転がっていたが俺の生活には馴染んでいた。


ただ俺自身には必要ないものばかり。


「だから実感が湧かなかったんだ」


まだ彼女から連絡が来たり家に来たりするような気がして


その度に『いや、別れたし』と俺の中で再確認される。


「てかさ、お前はほんとにあっさり別れたけどそれで良かったわけ?」