「モノじゃ、ない?」


彼の視線がこちらに向く。


必然的に目が合う。


相変わらず真っ黒な瞳をしていらっしゃる。


無気力系男子と分類される彼。


だけど私を見ている今の目は


無気力なんてそんな感じ一切しない。


「俺の気持ち、処理してくんない?」


「はぁ、?」


訳が分からない。


彼はさっきから何を言ってるのか


気が抜けた返事しかできない。


用が済んだら じゃ、と言って帰ると思っていたから


ずっとドキドキしっぱなしの私の心臓はそろそろ息切れだ。



「好きなんだ、お前のこと。
この俺の気持ち、処理してくれ」