5分後、ようやく蒼が来た。


「澪ごめん、すげー遅くなって。」


「うん、大丈夫。何してたの?」


なんて、分かってるくせに。私、ほんと性格悪いな…


「ちょっと、女の子達に捕まってて…ほんとごめん!!」


うん、知ってるよ蒼。


ねえ蒼??


ほんとに私が蒼と付き合ってるのは遊びだって思ってる??


「行くかー」


そう言って、歩き出す蒼。


「…澪??行かないの?」


「あ、うん、行く。」


付き合ってるのに、全然思い伝わらないね。


一緒にいるのに、蒼のこと、わかんないや。


でもきっと、蒼はもっと私の事わかんないよね、


だって、ちゃんと気持ち伝えてないから。


ちゃんと、伝えなきゃ。


「蒼、」


「なーに?澪そんな真面目な顔して」


ふはっと可笑しそうに吹き出す君。


「蒼っ、…」


私は、少し前を歩いていた君のシャツをちょこっとつまんだ。


「え、なに澪。かーわい。」


もう、そうやって簡単に可愛いって言うんだもん…


私にはそんな簡単に言えそうにないなぁ…


「蒼…私、蒼がすきだよ。」


付き合ってるんだから当たり前でしょって、そう思うかもしれないけど、ほんとに、蒼がすきだよ。