会場が沸き起こって、そこらじゅうで悲鳴に似た声が聞こえる。


すっごい…キラキラしてる…。


ホントのアイドルみたいだな…。


なんか、私、こんな人の彼女なんだ。


ちょっと、ステージで踊ってる蓮くんが、遠く感じて、悲しくなった。


そのあともいくつかパフォーマンスがあり、花火も打ち上げられて後夜祭は幕を閉じた。


後夜祭後、私は蓮くんを探しに行くことにした。


どこにいるの、蓮くん。会いたい、会いたいよ。


「雪っ!」


っ!いた!


「蓮くんっ!」


私はそのまま蓮くんの方に走って、思いっきり蓮くんに抱きついた。


「うわっ、雪?!あぶなっ、」


危ないとか言いながらしっかり受け止めてくれる蓮くん。


「あのね、蓮くん、さっき、蓮くんがステージで踊ってるの見て、…みんなが、蓮くんがかっこいいって騒いでるの見て…、少し、少しだけ…蓮くんが、遠く感じた…。」


その勢いのまま、さっき感じたもやもやを打ち明けてみた。


「ふはっ」


すると蓮くんは、なぜか急に笑いだした。


「っ、真剣に言ってるのに…なんで、笑うのっ!蓮くんのばか!」


ちょっと恥ずかしくて、そんな言葉が口から出てしまう。