「澪が、どこにもいなかったから…」


…へぇ。探してたんだ?


「なんで探すの?私のこと。ほっといて?」


そんなこと思ってないのに、口からはそんな言葉が出てしまう。


「澪?なんか、怒って…??」


「…今日、教室に来た人、誰?彼女?」


「は?何言って…あ、あれ従兄弟だよ。」


「は」


従兄弟…??驚きすぎて可愛さの欠けらも無いような声が出てしまった。


「え?」


「…じゃあ、なんで目逸らしたの?」


…これ、ずっと気になってた。


いつもなら、ニコって笑ってくれたり、時間があればこっちに来てくれたりするのに。


「だって、…澪が誘ってくれないんだもん…。」


「え?」


意味わかんないよ…


「いつも俺から誘うじゃん。だから、澪は別に一緒にいたくないのにいてくれるのかなって。だから、待ってたのに、全然誘ってこないし…そんな時従兄弟が案内しろとか言ってくるし…ちょっと、拗ねた…。ごめん、」


何、それ…


「私だって…今回蒼が誘ってくれなかったから、他の人と回るのかなって思ってたし。その矢先綺麗な女の人と一緒にいるし、なんか目そらされるし。だから、もう隣にはいられないのかと思った…」