「もう上がっていいよ。それとはい」


茶色い封筒を差し出される


「少ないけど、お給料」


付け足された言葉に驚く



「え…あ、
わ、私……お金を頂けるほど仕事をこなせていません」


うろたえる私を前に
おばあさんは変わらず笑顔で首を横に振る


「短期間で全てを完璧にこなせる人間なんて
そうそういないものだよ」


「大事なのは物事に真摯に取り組んだかどうか」


「佐奈ちゃんはこの1ヶ月、一生懸命働いてくれたろう?それとも、そう感じたのは私だけかい?」



……



「……いえ、つたないのは自覚していますが
自分なりに精一杯取り組んだ……つもりです」



答えるとおばあさんは更に目元を和らげた