「そういうわけじゃないと思うが」


「なら、どうして?」


「ばあさんの孫は、お前がどうこうと言うより
他人(ひと)に関わることを怖がっているんだろ」


「……他人に関わる、こと……」


「お前にはその気持ちがよく分かるだろ?」


「…」


「拒絶を恐れて近付けないが
お前が気になる気持ちには抗えず
影からこっそり様子を窺っている、そんなところだろ」


榊は立ち上がると私を見下ろして笑った


「ばあさんの孫とお前は色んな意味で近い
お互い悪くない関係を築けると思うぞ」