「あの子は素直で優しいいい子なんだけど
少しばかり不器用でね
そのせいで一度学校を辞めてるんだよ」

「……そうなんですか」


確かに一瞬見ただけだったけど
内気そうな印象を受けた

……私が言うのもなんだけど


「通信制の高校に入り直したんだけど
中々、行く気になれんみたいでね」

「…」

「外が怖いみたいで家に閉じ籠りがちなんだよ
だから、よかったら話し相手になってくれると嬉しいねぇ」

「……はい」



そう言って笑いかけてくるおばあさんに頷く




……おばあさんの態度に


私はひどく


…………安心した



孫のことを話すおばあさんは

悲しんでも怒ってもいなかったから


ただ現状をあるがままに受け入れて

穏やかに笑ってる



あの子にあったこと

あの子の気持ち



それを察して、汲んで

静かに見守っている


そんな姿に



……すごく、ほっとして