それからは目まぐるしい日々が続いた


おばあさんの所でお世話になりながら

榊の所へ社を直しに行く毎日


榊はバイトに慣れるまで
社の修理はしなくていいって言ってくれたけど

あそこで過ごす時間は私にとって
特別なものになりつつあったから、拒んだ



そうして、忙しなく過ごすこと早2週間


ようやく配達の仕事にも慣れてきた頃

私は自分に注がれる視線に気付いた



「……?」



配達から戻って
リストとサインの確認をしてる最中だった

気のせいかなって思ったけど

そうじゃなかったみたい


顔をあげると
ドアの隙間からこっちを見つめる女の子と
ぱちりと目が合う


「…………こんにちは?」


一瞬、びくりと固まったけど

とりあえず声をかけてみた


「!!」


同じように固まっていたその子は
肩を跳ねあげて、慌てて奥へ引っ込んでしまった