「その感情」

「…」


言われた言葉の意味をうまく飲み込めなくて、放心する私

そんな私の事なんてお構いなしに

榊は言葉を続ける


「お前は、弱い心を無くすことを願った
俺は、お前の弱い心を消すことを約束した」


榊は私を解放した


だけど私はその場に座り込んだまま

少しも動けなくて


「願いは叶える。俺の仕事だ
けど、俺の力にも限界がある」


「手助けはできる
けど、最終的に願いを叶えるには
本人の力が必要だ」



そこまで言って

榊はじっと、真意を問うように私を見つめる





「佐奈、お前は願いを叶えるために努力できるか?」