……内心ではもう確信してた


私を助けたのは榊だって


だって、大きな体にあたたかい手、体温

不思議な匂い



あの時と同じ




「殺してやるって言ったくせに
なんで助けるの」



怒りをあらわにする私を前にして

榊は言い返すこともせず
無表情で私を見下ろすばかり



……どうしてそんな目で私を見るの


逸らすことなくじっと私を見据える

澄んだ翡翠のその瞳は

怒ってるわけでも
悲しんでるわけでもなく


ただひたすら静かで落ち着いていて


何かしらの感情を向けられるよりずっと怖かった



どうして何も言わないの

どうして目を逸らさないの


……どうして、否定も肯定もしないの…



わけも分からず、涙が溢れた




……なんで、泣いてるんだろ



なんで