目が覚めた時、あたりは朱色に染まっていた


「…」


柔らかいような固いような何かに頭をのせている私


「起きたか?」


ひょいっと覗きこんできたのは榊


「…!」


ばっと勢いよく起き上がる


……
…………何て事だろう


あろうことか正体不明の不審者の膝の上で熟睡…


ありえない



…!そんなことより…っ


「作業……っ」


本当なら
すでに半分は終わっていたはずの賽銭箱の作製

熟睡してしまったせいで全然進んでいなかった


慌てて工具を手に取る

そんな私から榊はいとも簡単に工具を取り上げた



「お前、今日は作業するな」

「……早く、直さないと……」




直さないと、





死ねない