『じいじはもう
神様を見ることが出来なくなってしまったから』


……そうだ

おじいちゃんも言ってた



突然だったって

ある日、突然神様の姿が見えなくなったって




『ねえ、かみさま
どうしてじいじはかみさまとお話できないの?
どうしてかみさまがみえないの?』

『必要がなくなったんだ。一正には』

『?』

『見る必要がなくなった。話す必要も
それだけだ』




……そう


あの時、榊はそう言って


嬉しそうに、でもどこか寂しそうに笑ってた




……。




「……やだ」



やだ


やだよ



せっかく思い出したのに



見る必要がないなんて


話す必要がないなんて



……そんなの…納得できないよ…




姿を見れないなんて


声を聞けないなんて



もう二度と会えないなんて




「……やだよ……榊」




ぼろぼろと涙が溢れる