翌日



「おばあさん、変なこと聞いてもいいですか?」

「なんだい?」

「「榊」ってひと、知ってますか?」

「榊さん…」


繰り返して、おばあさんは首を捻る



「佐奈ちゃんの知り合いかい?」



……。

………ある程度、予想していた答えなのに
それでもショックを受けてる自分がいた



「私をここに紹介してくれたのは
そのひとじゃなかったですか?」

「いいや、私と懇意にしてる雑貨屋の奥さんからだねぇ」



……そういう風につじつまを合わせたのだろうか



雑貨屋の奥さんなんて私は知らない

会ったことも話したこともない
顔も、名前だって知らない

向こうだって同じはず