「…」



謝らないと




『―――それは、寂しいな』




そう言ってくれた

寂しさを分かち合って
傍にいてくれたあのひとの前から

私は何も言わず、何も残さず

突然いなくなってしまった


自分の事しか考えず

同じように寂しさを知っているひとを
ひとりにしてしまった



おじいちゃんや私が来ることを
心待ちにしていてくれたひと


名前を呼ばれることをずっと待っていたひと



『今は、お前がいるから寂しくはない』



待っているのはどんな気持ちだった?


再会するまでどれだけ寂しかった?







「……明日、謝ら…ないと…」



一気に記憶が甦ってきたせいか
なんだかとても疲れてしまって


はやる気持ちとは裏腹に


そのまま私の意識は深い所に沈んでいった