『じいじ、おはなしして~』

『良いよ。何のお話をしようか』

『なんでもいいよ!』

『じゃあ、じいじの若い頃の話をしようかね』



まだ、私が小さかった頃

多忙な両親に代わって、私の面倒をよく見てくれていたのがおじいちゃんだった


面白くて

優しくて


穏やかに笑う人だった


私はそんなおじいちゃんが大好きだった


毎日のように聞かせてもらっていた
おじいちゃんの『お話』が大のお気に入りだった


ある日


聞いたその話



『この近くにお山があるだろう?
あそこにはね、神様がいるんだよ』

『かみさま?』

『ああ
じいじは昔、そこで神様に会ったんだ
怪我をしたじいじを助けてくれたんだよ』

『わぁ、やさしいねぇ~』

『そうだね。優しい神様でね
それ以降、よくお話するようになったんだ』

『なかよし?』

『ふふ
そうだね。仲良しになった』