「なら、花言葉とかも?」

「…………それなりには」


私は手に持っていた本をあの子に差し出した


「私、こういうものに興味があるみたいで
もっと知りたいんです
だから…良かったら教えてもらえませんか?」

「…………あたしが?」

「……だめですか?」


突然の申し出にあの子は戸惑っていた
大きな目をさらに大きくまんまるにして


無理強いする気はもちろんなくて


この子が嫌だって言うならそれはそれで良かった


断られたら別の方法を考えようと思った


ただ、この子ともう少しだけ話せる時間を
その口実を作りたくて


誰かが一緒にいることで

何か変わるきっかけになるかもしれない


自分じゃ役不足かもしれないし

自分にそんな大層なことができるとも思えないけど



それでも



ひとりでいるよりは