自分の言葉ひとつで

相手を傷つけてしまうかもしれない

悲しませて、怒らせてしまうかもしれない

言葉足らずで勘違いさせてしまうかもしれない


たった一言で


自分にも他人にも大きな影響を与えることだって


「…」


自分に自信がなかったり、自分を好きになれない人ほど

自分じゃなくて『他人』にばかり意識を向けてる人ほど

それが解りやすく態度に出る



少し前までは、単純に私が怖いって思われてるんじゃないかって思ってた

だけど榊の話を聞いて、自分とこの子の近さを自覚してからは


なんとなく、この子の本心が読み取れる気がした


「……私が怖いですか?」

「…!ち、違います…っ」



ストレートに投げ掛ければ、慌てた声で否定が返ってきて

それに内心安堵しながら、また問いかけた


「じゃあ、自分の選ぶ言葉が…
気持ちが不安ですか?」


一瞬、驚いたように表情が変わる


「……私は不安です
言葉は自分以外の何かや誰かに向けることが圧倒的に多いし、他意がなくても勘違いされたり、相手を傷つけてしまう事もあるから」