それから1週間位経つ

その間、あの子の姿を見ることはなくて


別に今までだって

姿を見かけることはあっても、あの子はすぐいなくなってしまうから

会話まで進展する事はほとんどなかった


あの子が姿を見せなくなったからって
私には何も問題なんてないはずなのに


……どうしてか、気になって


頭から離れない

胸の中がもやもやして気持ち悪い


「…………はー……」

「ため息が多いな」

「……ため息なんてついてましたか?」

「ああ」


……無自覚ほど、厄介なものはないって思う

このひとに余計な心配や気遣いはさせたくないのに


持っていたやすりから手を離して
隣に佇む榊をちらりと見上げる


「何かあったのか?」

「……何か、と言うほど…」


明確な事があったわけじゃない