しばらく雑談をして帰路につく

「送っていくよ」

「今日は大丈夫。桜もいるし」

「でも…もう暗いし」

「大丈夫だって」

そんなやり取りをしていると桜が横から茶々を入れる

「羨まし~ね~。愛されてるご様子で(笑)」

「私なんか見送ってくれたことすらないよ~」

わざとリビングにも聞こえるようにいう

直樹がドアから顔だけ出す

「桜のこと襲う命知らずなんていねーよ(笑)」

桜はこの街じゃ有名な柔道選手だ

「それにこの街は父さんが守ってくれてる。大丈夫だよ」

そうだ

勝さんはこの街にとって、そして何よりこの家族にとってかけがえのない存在

私なんかが手を出していい相手じゃない

ただ、貴方を見守ることを

そして貴方に見守られることを

許してください