「ですが、そんな彼にも欠点と言うものは存在します」

「でしょうね」

こう言っちゃあれだけど、欠点があってよかったと思ったよ。

「人に対しての興味が全くと言っていいほどになかったんです」

菅谷さんが言った。

「興味?」

そう聞き返した私に、
「人を常に見下しているとか、そう言う訳ではありませんよ?

むしろ、周りが彼から離れたと言った方が正しいかも知れません。

完璧過ぎる彼に周りがついて行くことができなかったんです」

菅谷さんは答えた。

「確かに、そうですよね。

家事とか見てわかります、本当によくできますよね。

ヘタクソなところがあればいいのにって、思ったくらいです」

そう言った私に、
「山城さんは本当におもしろい人ですね」

菅谷さんは返事をした。