「お見合い?」

そう聞き返してきた菅谷さんに、
「その…結婚する気はないのに、どうしてお見合いをしたのかな…と」

私は言い返した。

「結婚する気はない――確かに、彼は昔から結婚とかそう言うものに興味はありませんでしたね。

“周りは周り、自分は自分”と言う考えの持ち主でしたから」

「そうですよね、お見合いの席でも同じようなことを言われました。

そんなにもお見合いが嫌だったら断ればいいのに…って、呆れたくらいです」

お見合いの出来事を思い出して、私は息を吐いた。

「やっぱり、周りから急かされて仕方なくしたんですか?」

そう聞いた私に、
「そう言うことでしょうね」

菅谷さんの答えに、私はやっぱりな…と心の中で呟いた。