私、理美に何か嫌われるようなことをした…?

心当たりを考えてみるけれど、特にこれと言って思い浮かんだものはない。

「と言うか、誰と結婚したの?」

私は聞いた。

「ああ、写真ね」

真智子はカバンの中からスマートフォンを取り出すと、私に見せてきた。

「えっ…?」

画面に映っている写真に、私は何を言えばいいのかわからなかった。

ウエディングドレス姿の理美の隣にいるのは、白いタキシード姿の男だ。

そして、私はその彼に見覚えがあった。

「この人、なの…?」

震える声で問いかけたら、
「うん、中小企業の専務なんだって」

真智子は答えた。

ああ、やっぱり…と、私は心の中で呟いた。

「結香、知ってるの?」

そう聞いてきた真智子に、私は首を縦に振ってうなずいた。