「別れた方がいいかなと思うんです。

他に好きな人ができたら、ワコさんのためにも別れた方がいいんじゃないかと…」

「ああ、待って待って」

テーブルに突っ伏した直木くんを私は慰めた。

こんなところで泣かれたらたまったもんじゃないよ…。

そのうえ、私が泣かしたみたいな感じになっちゃうじゃない…。

「とりあえず、別れるのはまだ早いと思うよ」

私がポンと直木くんの肩をたたくと、彼は顔をあげた。

「早いって…?」

「もしかしたら、何か他に理由があるかも知れないじゃない。

それに、浮気と決めつけるのはちょっと…」

「じゃあ、どうすればいいんですか?」

そう聞いてきた直木くんに、
「彼女と話しあってみた方がいいと思う」

私は答えた。