「自分に向かってあんなにもモノを言ってきた女性は初めてだと」

「…な、何かすみません」

たぶん、それはお見合いのことを指差しているのだろう。

「だけど、宇奈月さんも何を考えているのかよくわからなくて…」

私が言ったら、
「わからない…と言いますと?」

菅谷さんが聞いてきた。

「その…宇奈月さんって、結構モテますよね?

初めて彼を見た時、芸能人かよって思いましたもん。

地位もお金もありますし…こう言っちゃ失礼ですけど、女性の方から喜んで寄ってくるんじゃないですか?

ある意味、選び放題じゃないかと思うんですけど」

「一体、何が言いたいんですか?」

「お見合いする必要はなんじゃないかなって…」

菅谷さんは何も言わなかった。