「宇奈月からメッセージが届いてませんでしたか?

秘書に迎えを頼んだから送ってもらえ、と」

菅谷さんは言った。

メッセージ…ああ、何かきてたな。

私はカバンからスマートフォンを取り出してメッセージを確認すると、
「ホントだ…」
と、呟いた。

ご丁寧に、先ほど菅谷さんが言ったことと同じ内容のメッセージが届いていた。

「山城さん、メッセージは普段からちゃんと確認してください」

「はい、すみません…」

菅谷さんに注意されて、私は謝った。

ちゃんと確認しなかった私も私で悪いけど、仕事中とか移動中とか確認できない時だってあるんだからね。

言い方は丁寧だけど、何か上から目線な感じがするなあ…。

そう思っていたら、
「もう遅いですから、車にお乗りください」

菅谷さんが近くに止めていた車のドアを開けた。