どうせ、今朝と同じようなことを送ってきたんだろうな。

いつ終わるんだ、帰ってくるのは何時になるんだって…同居人と言うよりも親だな。

私はメッセージの確認をするのをやめると、スマートフォンをカバンの中に戻した。

電車を降りて駅を出ると、
「山城結香さんですね?」

眼鏡をかけたスーツ姿の男に声をかけられた。

誰だ、こいつ?

と言うか、何で私の名前を知ってるんだ?

「…そうですけど、あなたは?」

不審に思いながら、私は男の名前を聞いた。

「宇奈月の秘書をしております、菅谷等(スガヤヒトシ)と申します。

宇奈月に頼まれ、山城さんを駅まで迎えに行くようにと言われました」

彼――菅谷さんはペコリと頭を下げた。

「いや、頼まれたと言われましても…」

駅からそんなに遠くはないし、1人で帰れるし。