宇奈月さんとのお見合いから1年が経った。

「結香、キレイだよ」

そう言って褒めてくれた真智子に、
「ありがとう」

私はお礼を言った。

純白のウェディングドレスに身を包んでいる今日は、特別な日だ。

「いやあ、結香も結婚かあ」

そう言ったのは秋だ。

「忙しいのにきてくれてありがとう」

お礼を言った私に、
「友達の大事な門出だもん、くるにきまってるでしょ!」

秋はグッと親指を立てると、ニッと歯を見せて笑った。

そう、今日は私の結婚式だ。

「まさか、結香の見合い相手があの『レンブラント』の社長さんだったとは思いもしなかったよ」

秋は未だに信じられないと言う顔をしていた。

「あの時は、“ある企業の社長”って名前を伏せてたからね」

私は言い返した。

お試し同居期間中だったし、その後がどうなるのかわからなかった。