気持ちを打ち明けたら、答えてくれると思っていた。

あなたの口から直接聞けるんじゃないかと、そう思っていた。

でも、宇奈月さんは何も言ってくれなった。

振られた方がマシだ。

いっそのこと、暴言でも吐いてくれればよかった。

「宇奈月さん…」

呟くように名前を呼んだら、それに答えるように彼は私の手をギュッと握った。

その手に対して、私は何をすればいいのだろうか？

握り返せばいいのだろうか？

そうしたいけれど、彼の気持ちを聞いていないことに躊躇ってしまってできなかった。

あなたの気持ちを知りたい。

私のことをどう思っているのか、教えて欲しい。

思いあがりだ勘違いだと言われてもいいから宇奈月さんの気持ちを知りたい、ただそれだけだった。