「あーっ、終わった」

ドーム内が明るくなると、宇奈月さんは躰を伸ばした。

「宇奈月さん」

私は彼の名前を呼んだ。

「さっきのことなんですけれど」

「ああ」

「私は、あなたが好きです」

自分の気持ちを打ち明けた。

「一緒に暮らして、あなたのことが好きになりました」

宇奈月さんは私を見つめた。

特に驚いていると言った様子はない。

でも、何を思っているのか私にはわからない。

「――そうか」

長いような短いような、そんな時間の後で宇奈月さんが言った。

「えっ?」

何が?

そう思いながら聞き返したら、
「わかった」

宇奈月さんが言った。

だから、何が?

その意味を聞きたいだけなのに、宇奈月さんは何も言わなかった。