チケットを買って、館内へと入った。

「ここにしようか」

「そうですね」

宇奈月さんと一緒に座席に腰を下ろした。

ドームの天井には、まだ何も映っていない。

本当に久しぶりにきたな…。

そう思っていたら、
「結香」

宇奈月さんに名前を呼ばれた。

「何ですか?」

返事をしたら、
「後少しで、約束の1ヶ月が終わるな」

宇奈月さんが言った。

まさか、宇奈月さんからそのことを言われるとは思ってもみなかった。

「そうですね、終わりますね」

そう返事をした私に、
「君は、どう思ってる?」

宇奈月さんが聞いてきた。

「えっ?」

どう思ってるって、何の話ですか?

「僕と一緒に暮らして、どう思った?」

何も言えない私に、宇奈月さんがもう1度聞いてきた。