ただ私の顔を見て、私と話をしたかっただけなのか…。

そんな彼をかわいいと思っている自分がいた。

「かわいいって…」

相手は年上だぞ。

自分の気持ちに気づいてしまったからなのか、ちょっとおかしくなってしまっているような気がする。

「早くお風呂に入って、早く寝よう…」

明日も仕事だ。

そう自分に言い聞かせると、宇奈月さんの部屋の前から立ち去った。

約束の1ヶ月は、まだ半分残っている。

最初は嫌だったのに、つらかったはずなのに、今は残りの半分が終わってしまうことを寂しく思っている。

宇奈月さんがまだ私のことをどう思っているのかわからないし、私もまだ彼のことを完全に見抜いた訳じゃない。

残り半分の時間を思いながら、私はバスルームへと足を向かわせた。