そんな毎日が終わったのは、突然のことだった。

ある日、お昼休みの本の整理が早く終わり、お昼休みが終わる5分前に終わった。
私は早めに教室に戻ると、クラスのみんなが騒いでいた。
佐藤くんや菜乃花が真ん中にいる。
いつも通りの光景だ。

そんな光景を眺めていると、後ろの席の椿ちゃんと向日葵ちゃんが話しかけてきた。
「ねぇねぇ、佐藤くんの好きな人って知ってる?」
私は佐藤くんの名前にドキドキとしながらこたえた。
「ううん、知らない。」
2人は顔を見合わせて何かニヤニヤしている。
そんな2人に、どうしても期待を持ってしまう。
ー私じゃないか、と。
「あのね…」
椿ちゃんが言葉を切る。
早く言って!
そう心は叫ぶけど、声にはならない。
「菜乃花ちゃん。」
椿ちゃんが言い切る。
その瞬間、目の前が真っ暗になった気がした。
胸が張り裂けるかと思った。
いつものチクチクの、何百倍も痛い。
痛くて痛くて、涙が出そうだ。
もう一度、菜乃花たちの方を見た。
確かに、2人はお似合いだ。
明るくて、美男美女。
これ以上いい組み合わせがあるだろうか。
ううん、ない。
私は自分に言い聞かせる。
でも、涙が溢れそうだ。
「私、図書室に忘れ物しちゃった。ちょっとダッシュで取りに行ってくるね。」
私は椿ちゃんと向日葵ちゃんに告げる。
「5時間目、遅れないようにねー」
その声を背中で受け止めながら、走って教室を出る。

渡り廊下を渡って、特別教室のある中校舎にたどり着いた時、涙が自然と溢れた。
佐藤くんは、親友の菜乃花が好き。
菜乃花も、きっと…