「僕のバラは黄色だった……。黄色……」

右京さんはそう呟くと、キッチンの方へ走っていく。私と東さんも慌ててキッチンへ向かった。

キッチンには入ると、右京さんは「このテープだ」と床に貼られた古びた黄色のテープを指差す。

「ただのテープに見えたが……」

右京さんは地面にひざまずき、床を調べる。すると、床がゆっくりと下に下がった。隠し扉になっていたのだ。

「……これは……」

驚いて言葉を失う東さんに、右京さんが「行くぞ」と声をかける。

私たちはゆっくりと現れた階段を降りた。



地下に行くと、驚きの光景が広がっていた。

上のバーより広い部屋、その部屋には様々な実験器具が置かれている。

「……ここは……」

私が辺りを見渡していると、「これを……」と右京さんがテーブルに置かれたノートを指差す。

そこには、エキノコックスについてたくさん書かれていた。ノートは一冊だけでなく、何冊にも及んでいる。

そしてーーー。