「また、そういうこと気軽に言うなって…」



私の声に振り向いて、眉を下げて困った顔をする彼。


見てわかる通り、樹くんに全く相手にされない私。
不服そうな顔を浮かべる私を見て、
また面倒くさそうな顔をして




「はいはいじゃあなー…」

なんてお決まりのセリフを告げて自分の教室に向かっていった。




「1組なのに3組まで来てくれるのも妹みたいな存在だからなわけ…?」



虚しく独り言を呟いてがくりと肩を落とす。

だけど私だっていつもこんなふうに好きを伝えているわけではない。
本気にしてほしくて真面目に告白した時もある。
そして真面目に振られた。



「お前は妹みたいな存在だから‥」



樹くんに言われた言葉に幼いながら傷ついたのも覚えている。