「先輩、ありがとうございます…。また助けられちゃった。」
「いいっていいって!」
「なんかお礼させてください!!」
''ん〜お礼か〜''って悩んだあと
''あ!''って何かを思いついたかのように。
「Lin見たんだけど!柚乃って今度の土曜誕生日でしょ?!」
「あ、はい!実は…へへ」
気づいてくれたのが少しうれしくて俯いてはにかみ笑いを浮かべる。
「俺に祝わせてください。」
そう言ってまた目線を合わせる先輩からまた目が離せなくなる。
「おーい!!高城!!」
「はーい!じゃあまたな!」
空汰先輩は部活の先輩に呼ばれて去っていった。
誕生日か…
ちょうど樹くんとも顔合わせるのしんどかったところだし、私は行くことに決めた。
もう涙で濡れていた目元はすっかり乾いていた。
お母さんに出かけると伝えると
「そう〜。残念ね。
でも帰ってきたらお祝いしましょうね!!」
深くは聞かないでそう言ってくれた。
私は初めて樹くん以外の男の子と誕生日を過ごす。