まるで物語のヒロインのように頭の中でナレーションをしていた私はぼーっとしていたらしく、樹くんに


「なに、また自分の世界に入ってたの?」


なんて声をかけられる。


「へへ、ごめんごめん!笑」


それから数学の教科書を忘れた樹くんに教科書を貸すことになって、くだらない話をしながら学校に向かう。



「じゃ、三限おわったら借りに行くな」

「ん!待ってる!!」

「じゃーな」