暑い日差しを浴びながら、見慣れた景色の通学路を樹くんと歩く。

今、確かに樹くんの物語の中に私はいる。
今日も好きな人と歩く道は輝いて見えた。


佐藤柚乃

高校1年生
幼稚園からの幼なじみの和泉樹くんは私の好きな人。

そんな彼と離れたくないがために自分よりも何個かレベルの高い高校に必死で入った。

そして高校最初の夏。
この夏は絶対に樹くんと結ばれる。

それが私の目標。



「なぁ、今日3組数学ある??」

「へ??」