驚いた様に顔をあげると、アツは何か言いたそうに微かに唇を動かした。
アツの口から、次の言葉を聞くのがすごく怖かった。
だから私は話しを続けた。
「倉橋の夢は何?」
「・・・ゆ・・め?」
今、そんなの関係ないじゃん。
きっとアツも思ってる。
「お前の夢は?」
答える事なく返された質問に、今度はアツの目を見て、私は言う。
「大好きな人と幸せになりたい。」
ちゃんと伝わってるよね?私がアツの事、大好きだって、伝わってるよね?
流れ出した涙に、アツの震える手がそっと私の頬に触れた。
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