しばらくの間、無言の時間が流れる。



頭の中で何度も何度も、今の気持ちを言葉にしようとしても、それが声になって出てこない。



上着を着ないまま、じっと座っているだけの私達に、冷たい風が体の芯まで凍らせる様に吹きつける。



「もう入れよ。・・・寒いから。」



静かに言ったアツの言葉に少しだけ胸が痛んだ。



やっぱりアツにとって私はもう過去なんだ。



それでも構わない。

結果が分かっていても、私はアツに伝えたい。




「倉橋・・・あのね、あの・・・」



ゆっくりとアツが私に視線を向ける。



次に言おうとした言葉は、アツによって止められてしまった。





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