矢島くんは、高校3年生で、もう進学する学校も決まっていて、後は卒業を待つだけらしい。



春になれば、彼女が帰ってくるんだって。



彼女の話をしている時は本当に幸せそうで、私は初対面にも関わらず、ネホリハホリと彼女の事を聞いてしまった。




「彼女の写真とかないんですか?」


「あっ見る?かわい〜よ〜!」



カウンターの下でコッソリと見せてもらった彼女の写メ。



納得。


矢島くんの携帯には、彼女専用のフォルダがあって、いったい何枚あるの?ってくらい、彼女の写メや二人で写っている写メがビッシリ。



しかも、誰が見てもお似合いな美男美女カップル。



「ほんっとに可愛いですね!!」



「だろ?マジ可愛いんだよ。成沢さんは?彼氏の写メある?」



「見ますぅ〜?」



アツはあんまり写真が好きじゃないから、カメラを向けるといっつもソッポを向いちゃうんだけど、しつこくやると、最後には可愛い顔して笑ってくれるんだ。


私もアツ専用のフォルダ作ろうかな?



「へぇ〜彼氏カッコいいじゃん。」



「そうなんですよ〜。多少性格に難アリなんですけど、大好きなんです!!」



矢島くんのせいか、普段以上にノロケてしまう・・・。




「成沢さんお疲れ様。今日はもう上がってくれていいよ。」


「あっはい。お疲れ様です。」



初日の今日は本来より1時間早い9時まで。



仕事はまだあんまり覚えられなかったけど、矢島くんのおかげで、すごく楽しかったなぁ。





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