♪〜♪〜♪



聞き慣れない着信音は私のじゃなく、アツの携帯。



背面ディスプレイに映し出された【公衆電話】の文字を見て、迷う事なく電話に出た。



「もしもし。」


『お前、どこいんだよっ!』


明らかに怒っているアツの声を聞いて、思わず電話を切りたくなった。


「アツどこ?私、今駅なんだけど・・・」


『行くから待ってろ!動くなよ!』



ガチャンと切られた電話を握りしめながら、ブルッと体が震えた。



怖えーっ!!めちゃくちゃ怒ってるっ!!



頭の中で必死に言い訳の言葉を考える。

いやいや、素直に謝るべきだよね??





「コナミっ!!」



突然聞こえたアツの大きな声。



人ごみをかき分けながら、私に向かって走ってくる姿が目に映った時、私は本当に迷子だったんだと実感する。



お母さんを見つけた子供の様に、ホッとして、涙が出そうになった。



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