「アツ〜お待たせ〜・・・あれ?」




てっきりお店の外で待っていると思っていたアツの姿がなくて、辺りを見渡しても、人・人・人。




「もう〜どこ行ったのよ〜っ!!」



仕方なく鞄から携帯を取り出しアツに電話をかけた。





♪〜♪〜♪


何故か私の鞄の中から聞こえる着信音。


あっ・・・ビリヤードした時、邪魔だからって預かったんだ・・・。



どうしよう??



とりあえず、アツを探しながら駅の方に向かってみる事にした。



でも、人が多すぎて、すれ違う人の顔すら見えない。



「・・・もうウソ?・・・どこよ?」



人ごみをかき分けて何とか駅にたどり着いても、アツがいなくて・・・迷子になった子供の様な不安な気持ちになる。


・・・って実際、迷子なんだけど。





さっきのお店まで戻って、もう少し先まで行ってみた。



「確か、ここまでは一緒だったよね・・・」




結局、アツを見つけられないまま駅まで逆戻り。



今年買ったばかりの履き慣れないブーツのおかげで足のうらがズキズキと痛む。


アツとはぐれてからもう1時間以上も経っている。



もう帰っちゃったかな?


アツ、怒ってるかな?




植え込みのレンガに座り込んで流れる人の中からアツの姿を探す。



足が痛くて、寒くて、アツがいなくて・・・


泣きたい気持ちになってきた。




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