仕方なく教科書をかばんに突っ込み、瑠衣は繭の隣に並んで歩く。友達のニヤニヤする視線が恥ずかしい。瑠衣は思わずうつむいた。

帰り道、二人の間に会話はない。どう見てもカップルには見られないだろう。

瑠衣はこの沈黙が嫌で、どうすればいいか考えていた。しかし、繭を怒らせれば秘密をバラされてしまう。下手に動くことはできない。

瑠衣が考えていると、繭が口を開いた。

「ハリポタクイズ!!」

「へ?」

繭はにこにこと笑いながら言った。

「ハリポタに関するクイズを出します!先輩は答えてくださいね」

ハリポタと言われると、瑠衣の胸はわくわくする気持ちで満たされる。重かった空気が少し軽くなった。

「第一問!ハーマイオニーの両親の職業は?」

「歯医者!」

「第二問!ハリーが三年生の時の「闇の魔術に対する防衛術」の先生の名前は?」

「リーマス・ルーピン!」

「第三問!ロンの苦手なものは?」

「生きた蜘蛛!」

「第四問!ハリー・ポッターの中で「不思議ちゃん」と呼ばれている子は誰?」

「ルーナー・ラブグッド!」